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犠牲。

なにかを得るには犠牲を伴う、もっと言えば犠牲を伴わなければ得ることはできない、
という文章を新聞で読んだことがある。
読んだときは、ずい分若かった。そんなことはない、そんなのいやだと感じた。
なにかを失わなくたって得られるのではないかと、高(タカ)を括っていた。

ようやく最近、やはりそうだということが分かった。大人になるといろんなことが分かる。
なにも分からなかった若い頃がなつかしいけど、懐かしがっても戻れることは
永遠にないので、それなら分かるほうがいい。

辞書には、「ある目的を達成するために、それに伴う損失を顧みない」、とある。
なるほどね。やはりどうしても損失は伴うのか、顧みないのがいいのね、と感心する。

時間は限られている。もちろんお金も体力も。
限られているから、あれもこれも手に入れることはできない。
夢を持つことは無限だけど、夢だけではつまらない。
犠牲を払っても手に入れたい、習得したいものがあるのは、たぶん幸せなことなんだろう。
だんだん自分の人生が残り少なくなり、体力も落ちてくると、犠牲というほどではなくても
この時間を削ってこっち、この幸せはなくてもいいからこれと考えるようになる。
考えるだけでなく、決められるようになる。
若い頃ほど迷わなくなるのは、そういうことなんだとおもう。

だけど、この犠牲は困る。
自分の意志によらず戦争、天災、事故の巻き添えなどで生命を失ったり
傷ついたりすること。
広島の土砂災害で多くの方が亡くなった。合掌。
by julie9352 | 2014-08-29 23:01 | ひとりごと | Comments(0)

いつか土に帰る日まで。

by くり